【30代転職】メリット・デメリットと注意する事 

転職のやり方

 筆者が初めて転職をしたのは38歳の時でした。今から振り返って考えてみると30代は  20代と違いポテンシャルだけでなく企業がその人の経験やスキルを見て本格的に即戦力として採用を開始する年代だったと思いますし、今の採用状況を見ても実際にそう思います。

 又、30代は求人や募集されるポジションも多く、求められる条件も幅広いので個人的には30代の転職が一番面白く、且つやりがいのある会社や業界を見つけられる絶好のチャンスではないかと思っています。

 キャリア採用が本格化するこの30代の転職について自分の実体験も踏まえてそのメリット、デメリット、30代で転職をする時の注意点をこの記事でご紹介します。

30代で転職するメリット・デメリット

 30代は経験やスキルをある程度積んできて、仕事上の責任の度合いも段違いに変化してくる時期です。そのため、20代の転職とは違った転職のメリット・デメリットが生まれます。

1)30代の転職のメリット

 30代の転職は、既に企業で10年以上の職務経験と人によってはマネジメント経験のある人もおり学歴やポテンシャルはほぼ見られなくなります。

 つまり既に経験者であるという前提でそれまでの職場での経験や身に付けたスキルが、採用の大きな基準となります。そのため、これまで培ってきたものを元手にして、自分の希望する働き方や仕事に合った転職先を選ぶことができます。

 企業側も、すぐに使える即戦力として活躍できることを大いに期待して、30代の採用を行っています。よって自身のキャリアが転職先の企業のニーズとマッチしていれば、スキルを最大限に活用することができるポジションに就くことや、年収アップを叶えられる可能性があります。また、同業種に転職した場合前職での経験をそのまま活かせたり、それまでで培ってきた人脈等も、仕事を続ける上での強力な武器になります。

 このように、30代の転職は、募集するポジションと求められるスキルと経験を上手く合致させる事が出来れば将来に向けてのキャリアアップに大きくつながる転職となります。

2)30代の転職のデメリット

 一方で30代は20代に比べて、未経験分野への転職が比較的厳しくなります。20代であれば、やる気や熱意といったポテンシャルを企業から見込まれて、「未経験でも、入社後に育てる」という形での採用もあります。

 しかし、30代の転職希望者に求められるのは、知識や経験・スキルを兼ね備えた即戦力として会社に利益をもたらすことです。

 そのため、未経験分野はスキルが正しく評価されないと転職が難しくなったり転職できたとしても、前職よりも収入面や待遇などの条件が悪くなってしまうこともあります。

 只、逆に言えば転職のスキルを磨き10年、20年先を見越したキャリアパスとライフプランを考え、納得した上で転職をするとリスクが回避され将来のキャリアアップに繋がります。

30代の転職のやり方と注意すべきこと

 30代は経験やスキルを積み上げて仕事が充実する一方、マネジメントや部下育成も同時に進める立場になるため、企業側もその点を評価して合否を判断します。そしてその前提で入社後も評価されます。

 リスクとしては求められる範囲が広い分転職した会社が自分に合わないミスマッチを起こす可能性も20代より高く、最悪の場合再度転職先を探すという辛い状況になります。

 以上も踏まえ30代で転職する時のやり方とその注意点3つを以下の通り説明します。

1)なぜ転職するかの理由を明確にして最終的に意思決定をする。

 30代はまだ仕事の環境に悩む時期で私もそうでしたが一時的な感情で転職したいと思う事は良くあります。しかし一時的な感情で転職に踏み切っても、上手くいかないことが多いのが普通です。

 感情に動かされる一番の理由は、「転職の理由と転職に求める事が明確になっていないこと」です。これが無い状態で転職活動を始め、応募書類を作成したり、面接を受けたりしても「自分が転職をしたい理由は何か」ということが曖昧なままでは応募先企業の採用担当者を納得させられず内定は取れません。

 もし、仮に内定を入手して転職が成功したとしても、転職の理由と転職に求める事が明確になっていない場合転職後に上手くいかない事が起きた時にこれなら前の会社と同じ、最悪の場合前の会社よりひどかったという事になり転職しなければよかったという事になります。

 まずは、何を目的として今の職場を退職し、転職する必要があるのかを明確にしておきましょう。

2)特定の業界・業種にこだわらず役割とマッチングで転職を考える

 30代で転職する場合には、これまで積み上げてきた実績やキャリアを活かしてより条件のよい環境を目指す方が多く、同じ業界や業種に転職した方がリスクが少ないと考えるのが普通です。

 しかし、よほどこれまでの職種や仕事が専門的でない限り30代ではこれまで培った経験やスキルを活かして活躍することができますが、前職よりはるかに高いポジションについて大きく年収を上げるケースは多くありません。

 私のお勧めは30代だからこそこれまでの実績やスキルを活かしつつ、他の業界や業種にチャレンジして年収を上げるいわゆる軸ずらしという転職にチャレンジしてキャリアと市場価値を向上させるという転職をする事です。

 30代はまだ本格的なキャリア構築が始まった年代で今後労働市場もより流動的になり異業種間の転職は多くなると思われます。又、大幅な年収アップを狙って次に転職する際にも30代で異業種転職をしておけばその経験や実績は大いに武器になります。

 30代は最初からひとつの業界や業種に限定しすぎず、一度広い視野で転職先を見て自分が活躍出来る業界や会社を見てみる事をお勧めします。

3)転職に適したタイミングを見極める

 ひと昔前は、35歳転職限界説というのがあり、そこからは需要が大きく下がり転職が難しくなるといわれたことがありますが、今では就労人口の減少や企業の競争力の強化もあり即戦力として30代への需要が高まっており転職のチャンスは沢山あります。

 もちろん、自分のキャリアや長所・短所などを分析し、自分にとって相応しい転職時期を判断することが大切です。また、もし現在の職場で責任ある立ち位置にある場合は、現在任されている部署やプロジェクトなどに支障が生じないタイミングを見極めて転職活動を行うことも忘れないようにしましょう。

 ただ一方で、正しい転職は転職市場の需要と供給がタイミングよくをマッチする事で成功するものです。その為には常に公開求人を必ずチェックして雇用市場を自分で確認したり、自分の職務経歴書は定期的に見直し転職エージェントと定期的にコンタクトを取り雇用市場の状況を確認したり、自分の希望に合致した求人が出ていないかチェックしましょう。

 まとめ

 30代の転職は20代に比べるとやり直しが利きにくく、特に30代後半になると「最後の転職チャンス」という意気込みで挑まれる方も少なくないと思います。

 しかし今は時代が違い、30代は逆に自分の本格的なキャリア構築が始まる世代となっています。 自分の市場価値を上げれば40代以上でも十分転職は出来る時代になっています。

 只、焦りは禁物。目先の収入や待遇だけでなく、10年先、20年先のキャリア形成やライフプランを考慮し、「これなら納得ができる」と思えるような転職をするようにしてください。

 以上

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