【転職軸】賃金上昇局面における作り方

転職のやり方

 転職軸はどう作ればいいでしょうか。

 色々な情報にアクセスすると転職活動を成功させる為には必ず転職軸を定める事などと書かれています。

 転職軸とは、次の仕事や転職先を選ぶときに重視する条件のことです。大きく分けて転職の軸になるものは従来から下記の3つと言われてきました。

  • 年収
  • やりたい事
  • ワークライフバランス

 しかし、これまでは転職する上で全ての条件を満たすポジションや会社を見つける事は不可能なのでこれだけは譲れないという条件を一つ決めて、その他の条件は可能な限り妥協して転職先を選ぶというのが通常でした。

 筆者が転職した時代も転職軸はこの3択の中から一つ最優先事項を決めるよう転職エージェントやコンサルタントからは言われ、実際にそのように転職軸を決めて転職をした事がありました。

 しかし、現在採用側として中途採用を行っている立場から雇用市場や最近の求人情報を見ていますが特にコロナ渦以降高い年収で募集する企業がかなり多くなりその上で他の条件も満たす求人が増えてきています。 

 今は売り手市場だからという意見もありますが、私は本格的な就労人口の不足やそれに伴う賃上げ競争により日本の雇用構造自体が変化してきているのが背景にあると見ています。

 そしてこれに伴い従来の転職軸の考え方や作り方も変えても良い時代に入ったと思います。つまりコロナ後の就労人口の減少による構造的な人手不足とそれに伴う本格的な賃上げ競争により年収、やりたい事、ワークライフバランスの3つの転職軸が3択でなくなり、年収がデフォルトとなりその他2つの条件を付け加える形の転職が可能になってくると思います。

 勿論、この年収アップをデフォルトとする転職軸の作り方は基本的にはスキルと経験を高めて市場価値が高い人に当てはまります。しかし新卒の初任給アップや殆どの大手企業の賃上げ等を見てもこれからは年収アップを前提とした転職がより一般的になってくると企業側から見て実感しています。

 この記事は以上の状況を踏まえてこれからの転職軸の作り方とその4つのステップを解説します。

これからの転職軸の作り方は年収をデフォルトにして他条件をプラスする

 上記の通り転職軸は大きく分けて1年収  2やりたい事 3ワークライフバランスの3つがあると申し上げましたが、転職力があり市場価値が高い人は1の年収を転職軸のデフォルトに設定にしてその他の軸を付け加える転職軸の作り方が成り立つ時代になってきています。

 その背景にはコロナ後本格化してきた就労人口の減少による相対的人手不足と本格的な賃上げにより企業は市場価値の高い本当に欲しい人は給与を上げてでも獲得したいという姿勢が強くなっている事があります。

 具体例を挙げると筆者も最近どうしても欲しい人が中途採用の最終選考まで残りましたが、他社に取られる為募集条件の年収に200万円上乗せしてオファーを出しました。

 それだけでなく新聞やネットの情報を見ても分かるように新卒採用の初任給や、管理職の年収が今までの相場を超えた上昇を良く見かけます。

 中途採用も例外でなく市場価値の高い人にとっては年収アップを前提とした争奪戦が実際には市場で繰り広げられているのが現状です。

 よって今後の転職軸は下記のように考えて転職するのが得策です。

  1. デフォルト設定:年収アップ 

2. 以下を選択肢として転職軸に追加する

  • ワークライフバランス
  • やりたい事

 ただし繰り返しますがこの転職軸の作り方は転職力があり市場価値が高い人に当てはまる考え方でそうでない方がこの方法で転職軸を作っても希望したポジションが見つからない事が有る事は付け加えておきたいと思います。

これからの転職軸の作り方4つの  ステップ

 以上がこれからの転職軸の作り方ですが、  それでは実際に転職軸を作る時の4つのステップを紹介します。

  1. 転職理由を確認する

 なぜ転職するのかを改めて確認するのが最初です。年収を上げたいというのであればそのままそれを転職軸のデフォルトとして設定してその他の理由を明確にしましょう。

 年収を上げる事が第一の理由でない人は最低限必要な年収を一旦決めてそれ以外の転職する理由を再確認して下さい。

 手順としては今の職場を退職する理由や新しい職場で何をしたいかを書き出し可視化することで退職理由を整理できます。例えば現在の職場での、「スキルを磨けなかった」「やりたい事が出来なかった」「昇格、昇給には時間がかかる」などがあるかと思います。

 次に、転職先では「ポジションを上げたい」「△△な業務に携わりたい」「明確な評価制度で昇給したい」などの実現したいことを書き出します。このように現在の職場や自分の働き方の改善点やそれを踏まえて転職の上で何を実現したいかを明確にすることが重要です。

2.自己分析を行う

 自己分析は、転職や就職活動に必要な要素を確認する事です。今まで携わった業務を書き出し、職場での役割や身に付いたスキルや注力した点、評価された点を明確にします。

 また、失敗した点も書き出すことも重要です。それらの作業から、自分の長所・短所や得意・不得意分野のほか、「やりたい仕事」のほかに「やりたくない仕事」という事が見えてきて求人を探す時の判断軸になります。

 すべてを書き出しリストにすることで、自分を客観的に理解でき、次の職場で何ができるか(したいか)などの企業選びの基準ができるでしょう。

3.企業研究を行う

 企業研究については転職エージェントに聞くという方も多いと思いますが、転職は一生を左右する事なのでまず自分で調査を行いその上で転職エージェントに面談する事をお勧めします。尚、転職における企業研究のやり方は下記の記事に詳しく書いてあるので併せて読んでみて下さい。

転職における年収アップの為の企業研究

 https://biz-legend.com/companyresearch/                                

4.将来のビジョンを描く

 1~3のステップが終わったら、将来自分は「どんな業務に携わりたいか」「社内でどんな役割になっていたいか」「どんな働き方をしていたいか」などのビジョンをできるだけ詳細に描きましょう。たとえば、「3年後には課長職から部長職に昇給する、その先は役員になるか再度転職してそのポジションを狙う」等   3年後や5年後、10年後のビジョンを詳しく描きます。

 その際、「年収はそれぞれのレベルでどこまでアップさせるか」など、業務のみではなく年収アップ目標を定めることも重要です。 そしてその将来ビジョンを満たす為、次の会社でどのような実績を築き将来の転職先や狙うポジションはどこが最適なのかを想定して応募する企業やポジションを決めて下さい。

まとめ

 これからの時代転職市場における転職軸の作り方は、転職力をつけ市場価値に高い人にとっては従来の1.年収 2,やりたい事 3.ワークライフバランスの3択の中からの選択からデフォルト年収+その他の条件という作り方に変わって行きます。

そして、年収以外のところで自分が大切にする転職理由を選び人生を豊かにする転職と自分のキャリアを築き上げて行って下さい。

                                                                 以上

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