50代からの転職は今も厳しいでしょうか?
これははっきり申し上げます。
「今も昔も厳しいです!基本的に今も昔も変わりません!」
しかし、この記事でその現実を踏まえ50代で転職する際の失敗しない考え方とやり方を徹底解説します。
私は38歳の時に初めての転職をして40代で3回、そして50代で最後の転職をして61歳の現在上場グループ会社で取締役を8期務め現在も現役取締役として毎日忙しい日々を送っています。
私が50代で転職をしたのは今から10年以上前です。
当時は今と違い高齢者の有効活用や人生100年を見据えた定年延長などの雇用環境の整備等が全く進んでいない時代で転職活動には非常に苦労しました。
しかも50歳になって自分で希望して転職したわけではなく転職せざるを得なくなり転職したのが実情で何の準備も無くいきなり無職の状態から転職活動を開始した為、50代の転職の現実と厳しさにもろに直面しました。
この記事は私が50代で転職した経験と厳しかった実例を紹介の上、自分の反省点も踏まえ 50代で初めてあるいは未経験で転職を考えている人、そして50代で転職をせざるを得ない人向けに転職で失敗しない考え方とやり方を徹底解説します。
50代で転職した時の筆者の苦労と実例
まず最初になぜ私が50代で転職したかの実例をご紹介します。
私は50歳の時に最後の転職をしました。
正直に申し上げて私は50歳を超えてから転職する考えは全くありませんでした。
私は50歳まで外食産業の会社で海外事業総責任者という立場で経営幹部として順調に業務を行いこのまま定年までこの仕事を全うしようと思い頑張り続けていました。
しかし、この会社は投資ファンドが所有している会社で、ある日突然この会社の100%株式が他社に購入されました。いわゆる買収されて株主が変わったという事です。
その結果、経営陣が株主からか派遣されることになりプロパー社員であった私は実質解雇される形で会社を去らざるを得なくなりました。
通常の会社と違い在籍期間が短かったこともあり退職金は殆どゼロ。 当然再雇用等という制度もなくいきなり全くの就職浪人となりました。
その後、知り合いやハローワークも含めて色々な窓口にあたり転職活動を行った結果、本当に運良く自分の実績を生かし転職エージェントの協力に全面的に協力頂き現在会社の海外事業の責任者のポジションの内定を何とか頂きその後の運にも恵まれ現在のポジションに至っています。
でもこれは本当に運が良かっただけで50代の転職活動は今考えても二度とやりたくない苦しい思い出しか残っていません。
実際に50代で転職活動を行った時に直面した事実は、転職に対しては自分なりに能力も実績もあると自負していましたが書類選考さえ中々通過せず、かなり困難を極めた事です。
そして書類選考に通過しても内定まで道のりのハードルが高く、せっかく書類審査にパスしても面接で不合格になるという事も多々ありました。
結局、現在の会社が海外事業に本格的に乗り出すということになり海外事業の組織作りから開発まですべて丸投げで事業を構築する責任者ポジションが募集されており今までの経験を評価されそのポジションに何とか転職できました。
その後、その海外事業の立ち上げが軌道に乗り運よく今その海外事業の責任者として仕事を継続出来ていますが、この私のケースは幸運とポジションの募集タイミングに上手く乗れたというまれなケースで50代の転職者すべてに当てはまるかどうかは分かりません。
そして私の場合一歩間違えば、当時子供もまだ高校生で教育費も多額となり、住宅ローンも残っていたこともありそのまま希望する条件の転職先が見つからなかったら生活は破滅の状態になっていたと思います。
この記事は上記の私の50歳の時に職を失った失敗経験に基づき50歳で突然仕事を失う事を避け、転職したい、転職せざるを得ない50代の人向けに失敗しない転職の方法、転職の考え方について徹底解説したいと思います。
まず、50代の皆さんの今の会社で置かれた境遇は如何でしょうか?
まず、50歳を過ぎて転職を考えているあなた、もしくは実際に転職をしたいと思っているあなたは今どのような状況でしょうか?
読者の中には 「会社の経営は安定して成長性もある。そして再雇用制度も充実しており65歳まで収入や労働条件は確保されておりこの会社で65歳まで勤務すれば自分の人生は成功で終わる」という方もいらっしゃるでしょう。
こういう方は、サラリーマンの勝ち組です。そのまま定年まで逃げ切って下さい。
しかし、私のように転職をせざるを得なかった人も含めて50代で転職したいという方は今の時代多いのではないかと思います。
50代になると良い意味でも悪い意味でもその会社における自分の将来は先が決まってしまい勝負はついています。
一部の役員になる方を除いて役職定年で給与が大きく下がったり、組織変更や地位の変更等で仕事の内容が変わったり、年下の上司、部下との人間関係に悩み、このままでは定年まで持たないと思っている人もいると思います。
例えば
・今後の会社の雇用制度(再雇用後の給与、配属されるポジション、与えられる仕事と体力的な問題等)に不安がある。
・50代になって上司や職場の人間関係が本気で嫌になってきて耐えられない。
・役職定年や定年退職までに自分や家族を養える十分な年収をもらえる見込みが無くなった。
・そもそも定年まで働くうえで自分はその会社に求められていない
・早期退職を勧められている
・今後、今の会社に貢献できる方法が見当たらない。
・ワークライフバランスが心配(親の介護、 子供の自立がまだ)
・精神的、肉体的な健康状態に問題を抱えている。
今の世の中一部の裕福な人や資産をもっている特別なサラリーマンでない限り年金が支給される少なくとも65歳まで働く必要があります。
そしてお金だけでなく、65歳を超えて生きがいや健康のために仕事が必要な人もいまず。
下手をすれば70歳くらいまで働いて自分の生活や健康を確保しなければいけない人がこれからは多くなると思います。
50代で残りの職業人生が短いと言っても以上のような不安や不満をもって定年までの残り 10年~15年を今の会社で働き続けるのは相当 辛いのではないでしょうか。
50代からの転職をどう考えるか?失敗しない為の考え方とやり方
ここからは50代で転職を考えている人、あるいは転職せざるを得ない人に向けて50代における転職に対する考え方、そして転職する場合に失敗しないやり方を解説します。
1)まず最初に50代になって本当に転職したいのか、しなければいけない理由が何なのかを熟考の上最終的に転職するかどうかを決める事
前述した通り私の50歳の時の転職は会社に残るという選択肢がありませんでした。
そうでない皆さんが最初に考えなければいけないのは50代になってなぜ転職する必要があるか?という事です。
ななぜなら, 50代の転職は一部の特別な人を除いて年収は大きく下がり役職は今までの役職より落ちるのが普通です。
いくら今の会社の給与や待遇が不満と言っても例えば大手企業の方であれば今までの年功序列が反映され50代で役職が無い人でも正直中小企業の幹部や経営層と比べてはっきり言ってもらいすぎの給与をもらっている方もいます。
そして役職定年、定年再雇用までの雇用が保証されるのであれば少なくとも安定した仕事と一定の収入は定年までは得られます。
結局それでも転職したい人はこれらの安定を捨てでもどうしても転職したい理由がある人です。
50歳を超えてなぜ転職するのか? 転職するのであれば転職リスクを負ってまで得ようとしている、得なければいけないものは何かを突き詰めてください。
一時的な感情や、高齢者の転職ブーム、副業ブームに踊らされていないかを今一度冷静に分析してください。
本当に転職すべきかどうかの自己確認の方法を下記の通り紹介します。
①まず今の会社に定年まで残る前提で本当に自分が求めている事は達成できないのか? (年収、ポジション、ワークライフバランス)
②社内副業や社内リスキリング制度を利用した移動はできないのか?
③年収・雇用安定と引き換えても確かな転職目的(転職軸)が本当にあるのか?
④転職する事により生活のリスクをどうヘッジ出来るか?(生活に必要な最低年収や生活条件、ローン完済や老後の貯金額、年収ダウンの場合の共働きの可能性等)
⑤以上を確認してやはりそれらを背負ってでも転職する理由(転職する軸)がしっかりあるか?
2)転職活動にあたっては自分の転職目的を明確にする事
それでも転職するという選択肢を取り転職活動を進める上でに絶対守って欲しいことがあります。
それは自分の転職目的を明確にして転職活動においてはそれを崩すことなく全ての局面でそれを判断の軸にすることです。
なぜなら50代の転職活動は中々自分の希望する仕事が見つからず転職先の選択や条件において妥協がが必要で必ず迷いが出てくるからです。
ワークライフバランス、労働環境の良さ、自分の専門性を生かせる仕事等必ず一番大事な事、なぜこの転職をするかのそもそもの転職目的を最初にしっかり把握の上納得してこの転職軸をぶらすこと無く転職職活動を始める事です。
3)雇用の最低条件を決めて可能な限り多くの求人に応募して内定の可能性を広げる事
何度も繰り返しますが50代の転職は非常に厳しく内定を得る事が中々出来ません。転職軸が満たされる範囲で可能な限り数多くの求人に応募して内定が出たポジションから検討することが得策です。
例えば、転職軸がワークライフバランスの場合前職の役職やポジション、年収に拘らず50代でも比較的求人の多いIT や介護等の異業種にも応募して下さい。未経験と思っても実際に話を聞いてみると自以外と分にあっていたり今まで培ってきた経験やスキルを活かせる場所がみつかったりします。
とにかく、転職軸の範囲で色々な仕事の話を聞いてみる事です。そうすれば今まで知らなかった自分の可能性がわかったりして良いポジションや良い会社が見つかる事もあります。
後、転職先を探す際は転職エージェントや転職サイトのみでなくハローワークも是非活用して下さい。
4) 今までの経験とスキルが希少価値と認められるポジションを見つけられると勝機が出てくる
今まで少しネガテイブな事を書きましたが、最近は日本の半導体メーカーのラピダスが50代の経験がある半導体技術者を多く採用したという明るいニュースがありました。
そしてこの会社の新設工場の新入社員は50代が一番多かったそうですが、日本の半導体復活に向けて年齢関係なく経験と実力を重視した採用だと思います
このようにこれから成長して行く業界に向け自分のスキルや経験が転職先で希少価値になり実績を出す事が出来れば転職者でも活躍ができ成功する可能性が出てきています。
まだ数は多くないと思いますが自分の強みと市場が求めるニースを必ず頭に入れて転職活動を行なうことで50代でも大きく活躍できる転職先がみつかる可能性も今後出てきます。
5)転職活動は必ず働きながら行う事
私のように会社を解雇された人や会社を辞めざる得ない方を除いて転職活動は必ず今の仕事を続けながらやって下さい。
転職活動はやってみるまでどうなるか分かりません。ましてや50代は相当な長期戦になる事も覚悟しなければなりません。
会社を一旦辞めてしまうと無収入の期間が何時終わるか分からず非常にリスクが高いです。
必ず転職活動は働きながらやって下さい。
もし既に退職が決定している人は前述した通りとにかく数多くの求人に応募し希望する職種に拘らずまず内定を入手する事を最優先にして下さい。
6)転職は最後という覚悟を持ち、将来の再雇用、定年延長の制度の有無を考慮に入れる事
50代の転職は基本1回で終わり、最後の転職と覚悟して下さい。この覚悟を決め転職活動をすると同時に将来を考え可能であれば定年延長制度、再雇用制度のある会社に転職するするようにして下さい。
7)転職活動は転職エージェントと転職サイト、ハローワークて納得がいくまで
50代の転職を一人でやるのはかなり大変です。転職エージェント、転職サイトは必ず使って下さい。私も50代で転職をした時に転職エージェントを使い最終的に懇意にしてくれた転職エージェントのの紹介で今の会社に転職できました。
参考までに私が50歳の時に使っていた転職エージェントは下記です。
尚、以下のマイナビとdodaは私がお世話になったご縁に基づき今回アフィリエート広告としてタイアップさせて頂いておりマイナビのプロモーションを含みます。
いずれも登録や相談は無料なので一度コンサルタントに自分の今の市場価値や転職市場の現状等について情報を聞いてみて下さい。
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8)納得のいくポジションの内定を得られなくても長期戦を考える事。
納得できる転職先が見つからない場合は長期戦を覚悟して下さい。
そして転職活動を実際にやってみたけどどこからも内定を得られなかった。あるいはやはり転職先の条件より今の会社に在籍した方が良いと再確認できた場合は転職そのものを止める事もありです。
一方で無職となり生活費が必要な方はアルバイトや派遣をしながら転職活動を続けていくことになりますがまず契約社員でも派遣でも自分が生かせる仕事であれば条件を満たしていなくてもまず一旦入社することです。
その会社で活躍することで正社員への切り替えの可能性も出てきます。あるいは決して確率は高くありませんがその会社で活躍して管理能力と人間性認められると管理職への道が開かれる可能性もあります。
まとめ
50代の転職は定年までの残りの経済的な収入の確保と雇用の確保を考え、転職目的(転職軸)が明確であれば転職の決断をして下さい。決して転職ありきではありません。
そしていざ転職をする場合は今回ご紹介した転職に失敗しない考え方とやり方を参考にして是非自分の納得する転職を実現させて下さい。
尚、今回の記事は50代転職の基本的な考え方とやり方を解説しました。下記関連記事でも50代転職に関するの現実と対策や転職活動を成功させるコツを解説していますので、是非一緒に読んでみて下さい。
関連記事
【50代転職】厳しい現実と具体的対策方法。
https://biz-legend.com/50thjobchangegenjitu/
【50代転職】厳しい理由と転職活動を成功させる3つのコツ
https://biz-legend.com/careeerchange50th/
以上