転職の面接において
「あなたのキャリアプランを教えて下さい」
という質問をされたら内定に結びつける為にどのような回答をすれば良いでしょうか?
私は現在役員として中途採用の最終面接を行っていますが「あなたのキャリアプランは何ですか」というこの質問は必ず全ての候補者に聞いてその回答内容を合否の重要な判断材料にしています。
皆さんはそもそも面接においてなぜ面接官がこの質問をするかの理由を把握しているでしょうか?
その理由は
①その候補者の自主性の高さ
②入社してから活躍する為のエネルギー量
③入社してから自社で自己実現できるか
という3つの観点から入社して活躍してくれる候補者かどうかの判断をする為です。
ここで必ず注意しなければいけないもう一つの大事なポイントは面接官はこの質問を通してその候補者が入社したら自分の会社で長く働いてくれるかどうかを確認する為にこのキャリアプランの質問をしているという事です。
本当は将来転職をしながらキャリアアップをしようと考えている候補者が本音ベースで3年後はこの会社でスキルと経験を積み将来は更にキャリアアップを目指す転職をするという考えをうっかり面接で言ってしまい実際に不合格になったという例があります。
本当の自分のキャリアプランと転職面接で回答するキャリアプランは別のものでるという事をまず念頭において下さい。
以上を踏まえこの記事では面接官の評価を内定へと導く為のキャリアプランの回答の作り方の重要ポイント5つを解説し、それを踏まえた回答例をご紹介します。
是非参考にして内定を勝ち取って下さい。
キャリアプランの回答に入れる5つの重要ポイント
1.企業の考え方や経営方針にマッチしたキャリアプランであること
各企業の経営理念や経営方針、そして大事にする価値観はそれぞれの企業により違います。
自分のキャリアプランは自分の人生と自己実現の為に作るもので自分の考え方を伝えれば良いのですが、企業の理念に合わない もしくは反するものだった場合はいくらキャリアプランが正しくても「当社に合わない人材」と判断されてしまい内定に至らない恐れがあります。
例えば、顧客満足が一番大事な経営理念としている会社に利益増大や業界No.1になる事を主目的としたキャリアプランを説明すると転職先企業は考え方やケミストリーが合わないのではないかと不安を持ちます。
キャリアプランは自分の目標や自己実現を前提として作って構いませんが、あくまで内定を入手するのであれば事前に応募先の経営方針や経営理念を良く調べて自分のキャリアプランがこれらの考え方にマッチする内容になるようにして下さい。
2.その企業だから達成出来る可能性があるキャリアプランであること
この点を抑えると面接官の心に刺さります。キャリアプランが自分の今までの職務経験とスキルが現在応募している転職先のポジションで具体的にこう生かせるという再現性がストーリーになっていると面接官は是非採用してみたいと思うようになります。
企業の採用担当者から見た場合同じ能力を持った候補者でも、「将来の夢や目標を抱かず、自分の生活の為に与えられた業務をこなす受動的な人材」より、「将来の夢や目標を抱き、転職先の仕事を通じてそれを実現し会社の成長に貢献してくれそうな人材」を採用するのは当然の事です。
そのため企業側は、自分のキャリアプランは何ですかという質問から「その候補者が自ら目標を設定し、課題を見つけて自主的・能動的にそれを解決して成長していく人材かどうか」も判断します。
そして転職先に入社した後候補者がどう具体的にキャリアプランを実現して成長していけるかを面接官は良く見ています。
よって 単に「仕事を通じて成長して行くという」という内容だけのキャリアプランならどの業界・どの企業でも達成できるキャリアプランに聞こえ、「そうであれば他の企業でも出来ますよね」と面接官は感じます。
よってキャリアプランを語る時に大事な事は応募先の企業の志望度の高さをアピールし、そこで活躍出来る人物であることを期待させる説明をすることです。
その為には応募先の企業の事業内容や仕事内容をしっかり調べたうえで、その企業だからこそ達成出来るキャリアプランを作って下さい。
3. 現実的な時間軸を前提にしたキャリアプランであること
例えば担当者として転職先に入社するにもか関わらず3年後に部長になりたいというような応募先の実態に合わないキャリアプランは会社により非現実的と捉えられます。
もちろん、規模の小さい会社やベンチャー企業等であれば可能な会社もあり、そのような場合は短い時間軸の目標をキャリアプランの中に入れても問題無いとい思います。
ここで言いたい事は内定を入手してその会社で実際に働く事を目的としているのであれば転職先企業の昇格制度や時間軸等は必ず転職エージェント等から事前に確認してその企業の時間軸にあったキャリアプランを作成する事です。
自分のキャリアプランの中で目標とする時間軸が転職先の会社の時間より短い場合は、より出世が早く出来る会社に再度転職してしまうリスクがあると会社は判断する恐れがあります。
一方で昇格目標の時期が遅すぎると企業側は「もっと早く活躍してくれないと困る」というように意欲が低いとみる可能性もあります。
会社の情報を事前に入手して現実的な時間軸でキャリアプランの回答を作って下さい。
4. 実現可能であるが少し背伸びしたキャリアプランであれば尚良い
キャリアプランはその会社の経営方針や具体的な業務内容に沿いその会社の中でそれぞれ現実的な時間軸で達成する目標を入れていくべきですが少し背伸びした目標を入れるのも効果的です。
例えば、「御社の部長昇格の平均年齢は40歳と伺っておりますが●●の実績を早く積み重ねて30代の部長を目指します」等という言い方で背伸びしているが現実的な目標であるという内容であれば企業側に候補者の熱意とポテンシャルの高さを上手くアピール出来ます。
5. その会社で10年後、20年後に目指したいポジションや希望を入れる
そして最後に入れるのは、応募先の企業で
「将来このようなポジションに就くのが自分のゴールです」
という事を語ってくれると応募先企業は自社で長く活躍してくれる、本当にうちの会社で活躍して将来を作って行ってくれる人材と期待します。
例えば、
「10年後は御社の事業統括責任者になって活躍したい」
「将来は御社の役員を目指したい」
というような長期的に応募先企業で活躍したいという意思が入った回答をすると面接官に刺さります。
特に私の面接官の経験からも言えますが最終面接等経営層に近い人が面接官の場合高い評価を得られることがあります。
内定を取れるキャリアプランの回答例
以上のポイントを踏まえ具体的なキャリアプランの回答例を二つ上げます。
【例】海外営業志望のキャリアプラン
私は前職で●●という商品を扱い東南アジア向けに海外営業之業務を行ってきました。
自分が仕事の中で大事にしている事は最前線で営業目標を追い、数字を上げていくことはもちろんですがその中で情報や知識を積み重ね、独自の理論や方策を見出して成果を出して顧客を満足させながら目標を達成する事を常に意識してきた事です。
御社のホームページを拝見したところ、顧客満足を大切にしている会社であり今後は新規顧客の開拓に注力される計画だと知りました。
現在応募させて頂いているポジションに採用頂ければ今までの経験と培ったスキルを生かし即戦力として、これまでの営業経験が存分に活かせ東南アジアを中心として御社の業績と目標達成に貢献できるのではないかと自負しています。
又、入社後は御社が大事にしている顧客満足を第一に自分の営業を展開し●●年後には課長になれるよう頑張りたいと思っています。
そして更に御社で経験を積みスキルを上げて将来はマネジメント層に上がれるようなキャリアプランを考えております。
【例】若手ITエンジニアのキャリアプラン
私は新卒で前職の会社に入社以来IT ソフトの開発と数人の開発チームのプロジェクトリーダーを現在やっておりました。
私の仕事で大事にしている事は既存の技術や知識を運用するだけでなく、常に新しい知識や技術を吸収し改善、向上させていくことでありこれが私のキャリアの原動力になっていると思っています。
御社は今後生成AIに力を入れておりそスタッフを今回採用されているとお伺いしましたが御縁があり採用頂ければ今までのキャリアと経験を生かして御社の戦略に基づき10年先も時流のさらに先をいけるエンジニアとして活躍したいと考えています。
そして日本だけでなく海外でも通用するシステムを作り上げることを目指していきたいと思っています。
またプレーヤーとしてだけではなく、エンジニアグループを統括するポジションを目指しより良い製品作りに貢献できるようなマネジメントスキルも磨いていきたいです。
将来的には御社の技術部門をリードする立場を目指し技術担当役員として経営メンバーの一員になる事も目指したいと考えております。
まとめ
企業側は入社後に長く定着し、活躍してくれる人を採用したいと考えています。
それだけに、「将来のキャリアプランが自社で実現できそうだ」と応募先企業が判断できれば、入社後のミスマッチや離職のリスクが低い人材、そして、将来のキャリアプランを叶えるために前向きに長く働いてくれる人材だと評価しその候補者に内定を出します。
今回のキャリアプランのポイントを参考にして是非内定を勝ち取るキャリアプランの回答をして下さい。
今回の記事の関連記事として面接対策の記事も下記の通り投稿しておりまますので併せて読んで下さい。
関連記事:
内定が取れる転職の面接対策6選
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以上