誰もが仕事とは苦しい事、我慢する事、そして生きる為には何かを妥協しないといけないと思ってはいないでしょうか。
実は私も最初の転職をするまではそう考えていました。そして、最初の転職をするまで会社で我慢しながらも自分の居場所はここしかない、そしてこの会社で生きていかないと自分の将来は築けない、家族を今の生活レベルで養っていけないと思いこみ、我慢しながら10年以上一つの会社でがんばって働き続けました。
しかし、最初の転職をした時その不安は吹っ飛びました。日々の仕事、職場の環境、そして新しい上司や会社の自分に対する評価、そして何よりも日々の仕事に対する気持ちはガラッと変わりました。そしてそれをきっかけに、大手企業で定年まで守られて雇用される人生から自分を個人事業主として位置づけ転職を通じて市場価値を向上しここまで幸せな人生を送れました。
私の経験だけでなく株式会社アドバンスフローが2018年に実施した転職に関する意識調査の結果を見てみると87.2% の人が転職して良かったと回答しています。勿論これは正しい転職活動を行い、自分にあった会社をみつけたという前提があっての事だと思います。逆に言えば正しい情報を入手して的確な判断をして行動すれば転職して正解だったと言える事は誰にでも可能になる事ではないかと思います。
そして、もう一つ言える事は何事も選択肢が一つしかない(この場合今在籍している会社で我慢してでも成功する選択肢しかない)とい人生は非常に苦しく、自分や家族の生活を守らないといけないということからも大きなプレッシャーを伴うと同時に深刻な生活リスクや場合によっては健康のリスクまで伴います。
今回は自分が転職活動に踏み切った時の実話とその転職を切り札として市場価値を向上するに至った考え方と実際に最初の転職を成功させるポイントを紹介します。
情報がなく自分の今いる会社を基準にすると自分の市場価値は上がらず 転職はできない(自分の苦い経験)。
私はまだ終身雇用・年功序列が当たり前だった1980年代に新卒で総合商社に入社しました。当時は昭和の時代が真っただ中でパワハラ、ハードワークは当たり前でしたがこの会社で我慢していればいずれ課長や部長になるという今では考えられない迷信を信じて10年以上我慢と妥協を続け業務を頑張りました。つまり他に選択肢がない中、生活や給与を得るために我慢するしか選択肢がなかった状況でした。
また、転職がそれほど普通でなかった時代 上司もここを辞めてもこれ以上の給与レベルを得る会社に転職するのは難しい、だからここで頑張れという事を言うばかりで今思えば情報がなく、視野の狭い世界で自分の将来を判断していたように思います。
ところが会社の金融政策の失敗でいきなり終身雇用が崩壊、結婚して子供が出来、持ち家を購入したばかりの自分にとっては大地震が来て全てを失ったような状況でした。その後、生きるために転職活動をせざるを得なかったのですが、当時転職するという事が今のように普通でなくインターネットも今ほど発達しておらず転職ノウハウも簡単に手に入る時代ではありませんでした。その後、友人の紹介で転職エージェントを紹介してもらい転職のABCから教えてもらい最初の転職に至るのですが、自分の会社の中だけの会社の情報だけで判断し、そして今いる会社を基準に考えると如何に転職という発想が自分の中になく、急に雇用環境が変化した場合それが如何に危険であるかという事を痛感しました。
転職を通じて市場価値を向上していく生き方に変えた
どんなに自分を犠牲にしても絶対雇用を守ると思っていた会社に裏切られた。 正直ショックと怒りの毎日でしたが、生まれたばかりの子供と30年以上残っている住宅ローンがあった為、社外の友人に転職エージェントを紹介してもらい自分の棚卸し紹介してもらいました。その時はインタネットブームで色々な新興企業や成長企業が自分の事業を企画出来るスキル、プロジェクトマネメントで経験した子会社の経営スキル、そして海外の会社と提携交渉が出来るスキルをベースにITベンチャーの経営企画室長のポジションで再就職がきまりました。
この転職をきっかけに一社に自分の人生を預ける事がいかに危険で苦痛かという事を思い知り、これからは米国のように自分市場価値を上げて個人事業主のような形で企業を選びポジショと給与を上げる転職をして一つの会社でなく違う会社でポジションを上げながら会社のトップに上り詰めるというのがこれからの生き方であると自分の職業観を変えました。
その後は戦略的に市場価値を向上しながらポジションと年収を上げていくという戦略的な転職を合計5回行い現在も現役の取締役として活躍中ですが最初の転職の時に自分が学びその後の人生にも実践している事は下記です。
- どのような安泰で安定的な状況でも環境は急に変わる事があると認識する。
- 何時でもどこでも働き場所を選べる個人事業主的な考え方とそれを支える転職力が必要。
- そのためには自分の売り物になるコアスキルを仕事と新しい経験により磨き続け市場価値を上げ続ける事が必要。
- 市場価値とは自分よがりで作れるものでなく、それを市場ニーズと常に照らし合わせ必要なスキルと経験を積み重ねていくことにより本当の市場価値になる。
- そのために目的をもって常に社外の情報を入手して市場ニーズと転職のタイミングに対してアンテナを張っておく。
- 転職を決意する時はその転職で自分が何をなしとげるのか、そしてその次のステップとして何を目指すのか考える。
以上は終身雇用が当たり前の20年以上前に考えた事ですが現在の終身雇用の終焉やジョブ型雇用への移管を本格的にみる今の時代を見てつくずく自分の判断と生き方は間違ってなかったと自分なりに納得しています。そして、1社で定年退職まで働く人生より転職を通じて色々な違う仕事や人との出会いは自分の財産になったと思います。
そしてもう一つ言いたいことは自分の市場価値を上げて正しい転職を行えば本当に人生が変わり、幸せになれるという事です。
まとめ / これからは転職を通じて市場価値を向上しながら生きる時代になる
何度も同じ事を言いますが、一社で我慢してリスクを取って働く時代は本当に終焉を迎えようとしています。もうすでに50代で何とか定年まで逃げ切ればいいやと考えている人は別ですが、20代, 30代の方は終身雇用が終焉に向かい、米国のようなジョブ型が前提の雇用形態に移行していく事が考えられる現在、これからは転職力をつける事と常に会社の外の労働市場にアクセスし自分の市場価値を確かめ、常に向上させて行くことが必要です。
その為にはまず自分のスキル、経験、そして自分のコアコンピタンスを棚卸した職務経歴書をまず書いてみて転職エージェントに面談の上、自分の市場価値、今の自分であればどのような需要があるのかを聞いてみて下さい。そして本当に良い転職先を紹介されたら一度試しに応募して面接を受けても良いと思います。
そしてもう一回最後に言いたいのですが市場価値を向上させ正しい転職を行えば本当に人生変わり、 幸せになれるという事です。
以上