自分の人生と家族の生活のリスクを抱えながら転職した会社がブラック企業であったら最悪です。
どんなに今の会社の労働環境が悪く年収が低くても次に入社する会社がブラック企業であったら同じ事の繰り返しになる事は勿論、直ぐ次の転職先を探さなければなりません。
実は私も長い転職人生の中で一度ブラック企業に入った事があります。その会社は収益性と成長性が非常に高くカリスマ経営者が社内を教育しながら社員を成長させている会社でした。仕事は地獄のような世界で帰宅するのは終電かタクシーが殆どで休日出勤も当たり前でした。結局健康を心配する家族の助言で転職を決意しました。
一般的にブラック企業とは少ない賃金で長時間働かせる企業と定義されます。又、賃金はそれほど悪くなくても労働環境が著しく悪かったり、業績達成の為に会社から要求されるノルマが非常に厳しく社員の精神的な負担が多い会社の事を言ったりします。
このようにブラック企業と言えば低賃金、長時間労働、パワハラ等がある企業とイメージされますが、それだけではなく根本的に自分が働く事が出来なくなる会社をブラック企業と呼びます。
この意味で絶対入社してはいけない本当のブラック企業は下記3つの特徴をもっている企業になると思います。
1) 企業理念が合わない(もしくは無い)
2) 低賃金・長時間労働
3) 上司が酷い(評価されない)
この記事ではこの3つのブラック企業の特徴を解説してそのような会社に入社しない為のブラック企業の見分け方6選を紹介します。
転職先として入社して行けないブラック企業3つの特徴
- 企業理念が合わないもしくは無いブラック企業:
企業にはそれぞれ過去から培ってきた企業理念がありますが問題になるのはその企業理念が自分の価値観や仕事において大切にしている事と合わない事です。あるいはその企業で働いている社員や上司と考え方が合わない事です。
例えば自分が今まで信じてきた価値観で判断した仕事が自分では正しくないと思う考え方で否定されたり、いくら努力してもその企業の仕事のやり方や社員の考え方に合わせられないようなケースです。
この場合良く言われるケミストリーが合わない企業であり自分にとってこの企業はブラック企業となります。
このような企業に間違って入社すると本人はいくらスキルが高く仕事で成果を出し高い年収をもらっても周りの環境自体が苦痛で会社に居る事が我慢の連続になります。
この場合は何をやっても充実感は得られず長く勤めると最悪精神を病む可能性さえ出てきます。
一方で企業理念がない企業もブラック企業です。例えば、企業理念は一応あるが実際は 社長の意見=企業理念のような会社で朝礼暮改が頻発し社員が振り回されるような会社です。
このような企業は職場環境の不安定さという観点からブラック企業と言えますが、社員、特にその環境に慣れていない転職者にとり相当なストレスが溜まる事になり長くその会社で仕事を続けていく事が困難になります。
2.低賃金・長時間労働のブラック企業
低賃金、長時間労働の企業には大きく分けて下記二つのタイプがあります
①本当に儲かっていなくて社員を低賃金で長時間働かさざるを得ない企業
②利益が出ているのに経営者が収益に厳しく社員に労働に見合った給与を払わない企業
双方共入社してはいけない企業ですが特に入社してはいけないブラック企業は上記①の本当に儲かっていなくて低賃金で社員を働かさざるを得ないブラック企業です。
このタイプの企業は低収益で労働環境が悪いという事だけでなく多少会社の収益が上がっても労働分配率(利益の中でどれだけの比率を人件費に充当するか)を低く抑える方針を取っている為簡単に給与は上がりません。
それよりも更に大事なことはこのような低収益の会社は稼ぐしくみそのものが悪く、社員も低生産性の仕事しかしていません。このような会社にいると低生産性の仕事のやり方、スキルに染まり自分自信のスキルが腐る可能性があります。
一方でで②のブラック企業は事業そのものが高収益性の事業で利益を稼ぐ仕組みや稼ぐ能力を備えた社員が多くいます。只、何時その利益が社員に還元されるか、何時労働環境が改善に向かうかは経営者の決断一つになる為、こちらも入社するにはリスクがあると言えます。
この②のブラック企業は短期的にスキルを身に付ける事が出来次の転職に繋がる可能性もありますが労働環境の改善がなされるかどうかが不明な事より転職先として選択する事はお勧めしません。
3.上司が酷い会社(評価されない)
上司が合わない事=ブラック企業と言う事ではありません。
ただ、自分の上司がどのような人なのかは転職してその企業に入社するまで分かりません。上記1, 2 のような企業理念が合わないあるいは長時間低賃金の企業はある程度事前に調査すれば入社は避けられます。
問題はホワイトと思って入社した会社の上司がブラックであったり、上司との相性が悪かった場合です。上司と合わない事は自分の人生やキャリア、そして家族の幸せを考えた時に立派な転職理由になります。その場合は転職により環境を変える事が長い目で見て一番良い方法ですが、会社自体がホワイトである場合転職せずに対応する方法もあります。
上司と合わないのが何故立派な転職理由になるかという事と転職する前に一度対処する方法については下記の記事で詳細を解説していますので是非読んでみて下さい。
上司と合わないのは立派な転職理由
ブラック企業の見分け方6選
それでは以上のようなブラック企業に転職しない為の、ブラック企業の見分け方6選をご紹介します。以下、優先度の高い順番からご紹介します。
①まずは転職エージェントにブラック企業かどうか良く聞いてみる
応募するあるいは内定を入手した企業がブラック企業かどうかを見分ける方法としてはまず転職エージェントに確認するのが一番良い方法です。
只、転職エージェントも全てを把握しているかどうかは分かりませんし本当の事を言ってくれるとは限りません。結局転職先を決めるのは最終的には自己責任なのでいくつかの違う方法を使いながら自分で判断し納得した上でその企業に入社するかどうかを決断する必要がります。
内定を受けるか迷った時に最終判断するべき方法は下記の記事にも開設しましたので是非読んでみて下さい。
内定入手して迷った時の最終判断基準 5つ
②ネットの書き込みでブラック企業のブラック度をチェックしてみる。
次はネットの書き込みを見てみる事です。これは意外に実態を反映した情報を取れます。私が在籍していた会社の情報をオープンワークスや転職会議等の口コミを見ると良く実態を踏まえた内容が書き込まれているなと感じました。
只、匿名の書き込みとなっている為一つの書き込みを信じるのでなく幾つかのサイトの書き込みを見て総合的に判断するのが良いと思います。
③労働環境を実際に見せてもらいブラック度を確認する。
面接時もしくは内定後に職場見学させてもらうのも有効な方法です。その時に社員の平均退職時間や休日出勤の状況を上手く聞いてみるのは勿論ですが、実際に働いている人に笑顔があるか、余裕があるかなどの第一印象で以外にハードな職場かどうか分かるケースがあります。
人間は左脳で考えるより右脳で感じる事のほうが良く当たると言われますが、自分が肌で感じるその会社のカルチャーや雰囲気に違和感がある場合は本当にこの会社に入社して良いか他の条件も考慮しながら再検証してみるべきでしょう。
④その企業の給与レベルを同業他社の同ポジションと比較してみる。
応募先または内定先企業と同業種の同ポジション又は近いポジションの求人票を転職サイトで取得し自分の応募企業の給与と比較してみましょう。その業界の標準より大きく低い場合はブラック企業の可能性があります。
⑤その企業の離職率でブラック度を判断する
同時にその会社の離職率を聞いてみましょう。直接聞いても構いませんが一番良いのは転職エージェントに聞いてもらう事です。
そして世間の平均と比較してみましょう。ちなみに厚生労働省の資料を見ると一般労働者の2020年の離職率は14.3%となっています。
離職率を聞いてみて明確な回答が出た場合その数字を参考に出来ますが、問題は聞いてもはっきりとした回答が出てこないケースです。
この場合は言えない理由がある、もしくは社員の離職については管理が行き届いていかもしれず、このような企業はブラックの可能性があると疑ってみて下さい。
⑥同業他社に知人がいればその企業のブラック度を聞いてみる
これが出来ればベストですが全員が出来るわけではありませんのであえて6番目にもってきました。
可能であれば友人、知人経由で紹介してもらうもしくは代わりに聞いてみてもらっても良いでしょう。又、最近はSNSでつながりを作って情報を入手する方法もあります。
以上のブラック企業の確認方法6選は全て出来るかどうかは分かりませんが可能な範囲で確認し、最後は転職エージェントの意見も総合してブラック企業かかそうでないかを見極め最終的にその企業に転職するかどうかを判断してください。
まとめ
本当の意味でのブラック企業の3つの特徴とブラック企業を見分ける方法6選を今回は紹介しました。
労働環境が悪くても、多少年収が低くても期間を区切って自分の勉強と割り切り入社する企業は良いですが、本当の意味でのブラック企業に入ると自分や家族が不幸なる事は勿論最悪心身を病む事もありその見極めが必要です。
今回紹介した6つの方法を使いブラック起業かどうかをしっかり見極めた上でその企業に転職するかどうかの最終判断をするようにして下さい。
以上