ファンド投資先企業に転職する際注意する 5つのポイント

転職の成功方法

ファンドの投資先企業やM&Aをされた企業向けに経営者や経営幹部ポジションの中途採用が活発化しています。

 これらの会社への転職は直ぐに経営者や経営幹部になる事が可能になり高収入を得られる利点がありますが、一方で短期間で高い結果を出さないといけないという高いリスクも伴っています。

 私も過去ファンドの投資先に経営幹部として転職して順調に活躍していましたがそのファンドの株式売却により株主が変わり経営陣総入れ替えによりいきなり退職させられたという苦い経験を持っています。

 私がこの経験から実感したのはファンドの投資先やM&Aされた会社は通常の会社と比べて給与が高額である一方要求される目標は高く結果を出すまでに与えられた時間も通常の会社と比べてかなり短いという事です。

 そしてファンド投資先企業のエクジットの後の雇用は新しい株主の方針により新たな経営者や経営幹部を派遣するケースが多い為、エクジット後の雇用は保証される事が少ないという事です。

 つまりファンド投資先企業への転職は典型的な期間限定のハイリスク、ハイリターンの転職になるケースが多いと言えます。

 しかしながら、ファンドの投資先への転職は経営幹部としてそれなりにキャリアと年齢を重ねている方にとっては高年収を得られる有力な転職先の一つになるのも事実であり実際にこのポジションを狙い転職される方も多いと思います。

 この記事はこれからファンド投資先企業に転職される方、あるいは転職を考えている方向けに私の経験及び、私の友人が経験した実例をベースにファンド投資先企業に転職するにあたり注意しておくべき下記5つのポイントを紹介致しますので是非ご参考にして下さい。

① ファンドが買収した会社で結果を出す時間は極めて限られていると認識する事。

② ファンドは超即戦力を期待。成果でなく結果に高給を出すと認識する事。

③ ファンドの投資先は雇用の終わりが突然やってくる事を想定する事。

④ ファンドが売却した後経営者として残れる事はまれと認識する事。

⑤ ファンド投資先企業でも経営者として失敗したとみなされたら次の転職に影響する可能性もある事。

1.ファンドが買収した会社で結果を出す時間は限られていると認識する事。

 この点は十分認識の上で入社されると思いますが、ファンドは投資を募った投資家に対して期待利回りとその期限をコミットしています。 そしてこの期間内に価値を上げて他社に売却するか会社を上場させて投資資金と運用益を回収します。

 仮にこの期間をファンドが転職者に3年と提示した場合、それは数字的な目標値は勿論、会社の価値を上げる施策を完了させてready to sell the company という状態に3年以内にして下さいと言う事です。

 そしてファンドも投資家に対して失敗が許されない為実際の数字の進捗と貴方のパフォーマンスを期間中良く見ています。例えば入社して1年目でもファンドが逆算して3年目でその時間軸に間に合わないパフォーマンスと判断したら最悪解雇や交代のリスクはあります。

 実際私の友人は3年間という約束でファンドが投資している会社の社長に就任しましたが進捗が計画より遅れているという事により約1.5年で解雇され別の社長が起用されました。

 ファンドの時間軸はこれだけシビアであると認識の上結果を出す目標を自分で設定するようにして下さい。

2.ファンドは超即戦力を期待。  成果でなく結果に高給を出すと認識する事。

 通常の会社と違いファンドが投資した会社はある意味数字が全てです。これは彼らが株主として会社を保有するのは企業価値を高めて他社に売りその売買益を得る事が目的なので当然と言えば当然です。

 よってあなたが評価されている箇所は成果や進捗の中身でなく時間軸と数字だけと割り切った方が安全です。そしてファンドはタイムキーパーとしてストップウォッチをもってあなたの経営の進捗と数字を計っていると考えて良いと思います。

3.ファンドの投資先は雇用の終わりが突然やってくる事を想定する事。

 ファンドの投資先に経営幹部として採用されたプロパー社員はそのファンドの本当のエクジット方法や時期は知らされないケースが通常です。

 例えばあなたに3年後上場させると言ってもその途中で想定利回りより高く買ってくれる会社が現れれば方針を変えて予定より早く会社を売却したりする事もあります。

 やっかいな事はその経緯を投資先の経営者や社員に適時に開示したり共有する事は通常しません。これはある意味当然のことで会社の売買等という情報は超機密事項である事と同時に情報が漏れた場合その会社の社員に雇用不安を起こす可能性があるからです。よって想定外にあなたの雇用が早く終了する可能性がある事は想定しておいた方が良いでしょう。

4.ファンドが売却した先の新しい株主の下で経営者として残れる事はまれであると認識する事。

 買収先つまり新しい株主は自分の経営方針に基づき自社から経営幹部や役員を派遣するのが通常です。 その為、特別にその本人しか出来ない経験や能力を持っていない社長や経営幹部は買収後雇用終了となる可能性が高いと覚悟して下さい。

 逆に言えばエクジット後、社長又は経営幹部はその会社に残るケースは少ない前提で次のキャリアを考えた転職をする覚悟が必要という事です。

5.ファンド投資先企業でも経営者として失敗したとみなされたら次の転職に影響する可能性もある事。

 ファンドが指定された期間内にエクジットし無事その会社を卒業できたのであれば良いのですがファンドの意にそぐわず途中解雇された場合は経営者としての転職キャリアに一つマイナス点が付く事になります。

 転職は色々なポジションや会社があり一概にはこの途中解雇がマイナス要因になるとは言えませんがファンドが投資した会社からの途中退場という事になると結局目標期限内に結果を出せなかったとみなされます。

 次の転職活動において職務経歴の中で次の転職先候補にに退職理由を上手く伝え次の転職先を探す必要が出てきます。

 仮に自分がコントロールできない事が要因で途中で会社を去る事になってもそこまでの実績と退職理由を整理しその経験に基づき次の会社でふぉれだけの実績を残すことが可能かというポイントは在職中から整理しておく事をお勧めします。

まとめ

 以上、今回は私自身の経験や知人の経験を元にファンドが投資した会社への転職した際のリスクを中心にファンドの投資先企業に転職する際に注意する5点を紹介しました。

この記事を読んだ方に是非成功してもらい為にリスクと注意すべき点をあげましたが一方でファンド投資先への転職は高いポジションと高年収が狙える魅力的な転職先である事も確かです。

 ファンド投資先企業に転職される方は今回ご紹介した注意点も参考にしながら是非転職先で頑張って結果を出し将来ステップアップするキャリアを構築して頂けたらと思います。

                                     以上

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